お知らせ

薬ゼミ生涯学習テキスト「褥瘡を早くきれいに治す方法」を発刊しました

2023年1月26日
好評をいただいている薬ゼミ生涯学習講座「薬剤師が変われば、褥瘡治療が変わる!」をもとに、
薬ゼミ生涯学習テキスト「褥瘡を早くきれいに治す方法―薬剤師が変われば、褥瘡治療が変わる!」を、
2023年1月26日、一般社団法人薬学ゼミナール生涯学習センターより発刊しました。

★本書はAmazonにてお買い求めいただけます★
〔紙書籍(ペーパーバック)〕 ※試し読みで表紙から目次まで、本文の抜粋、索引などが見られます。
 https://www.amazon.co.jp/dp/4600011678
〔電子書籍(kindle本)〕※無料サンプルで表紙から目次まで見られます。
 https://www.amazon.co.jp/dp/B0BT4BZ8SZ

※『褥瘡を早くきれいに治す方法―薬剤師が変われば、褥瘡治療が変わる!』の書評が、東京都薬剤師会発行の「都薬雑誌(Vol.45、No.8)」に掲載されました。

※書籍の内容の確認テストをWeb上で実施し合格すると、一般社団法人薬学ゼミナール生涯学習センター発行の認定薬剤師研修単位を取得できます。
  詳しくは、薬ゼミラーニングトレインhttps://yakuzemi-shougai.study.jp/rpv/をご参照ください。

褥瘡を早くきれいに治す方法


2022年4月の診療報酬改定で薬剤師の役割と明記された「褥瘡対策における薬学的管理」。褥瘡を早くきれいに治していくには、どのような「薬学的管理」を行えばよいのか、
褥瘡対策の考え方(基剤ファースト/薬剤滞留/清浄化の維持/感染制御)をまとめました。
読み終えると、褥瘡対策の考え方が腑に落ち、積極的に褥瘡患者さんにかかわることができるようになる1冊です。

長年の実践で積み上げたノウハウ「フルタメソッド」を解説。この1冊で褥瘡の薬学的管理に自信がもてる

2022年4月の診療報酬改定で褥瘡対策における薬学的管理が薬剤師の役割と明記されました。
薬学的管理計画を立てて外用薬の特性をいかした薬物治療や薬剤滞留の問題を解決することが求められています。
しかしながら、治らないといわれてきた褥瘡への対策に、一歩踏み出せない薬剤師も少なくありません。
そこで、褥瘡を早くきれいに治していくには、どのような「薬学的管理」を行えばよいのか

――それをこの1冊にまとめました。

著者の古田勝経氏が、長年の実践で積み上げたノウハウ「フルタメソッド」は
・基剤ファースト
・薬剤滞留
・清浄化の維持
・感染制御
が4本柱です。

本書を読み終えると、これら褥瘡対策の考え方が腑に落ちます。
そして、積極的に褥瘡患者さんにかかわることができるようになります。
薬剤師が褥瘡対策にかかわるときに、ぜひ読んでいただきたい1冊です!


掲載内容

Part 1 褥瘡という疾患と薬剤師の役割

褥瘡ができる理由〔褥瘡という疾患/褥瘡が発症する状況〕
褥瘡を予防するには〔体圧分散で持続的圧迫や摩擦・ずれを防ぐ/薬剤誘発性褥瘡を防ぐ〕
褥瘡対策チームによる予防と治療〔褥瘡対策チームにおける薬剤師の役割〕
《コラム》薬剤師が介入すると、褥瘡は早く治る

Part 2 褥瘡の評価

静的病態評価〔褥瘡の分類とアセスメントツール/DESIGN-R®2020/D(深さ)/E(滲出液)/S(大きさ)/I(炎症/感染)/G(肉芽組織)/N(壊死組織)/P(ポケット)〕
動的病態評価〔褥瘡の動的病態評価/①発症部位/②創全体の形態/③皮膚の移動方向/④残存組織/⑤創縁の性状/⑥創面の性状/⑦肉芽の形態/動的病態評価の活用〕
《コラム》静的病態評価と動的病態評価

Part 3 褥瘡の治療

「基剤ファースト」で外用薬を選ぶ〔基剤の特徴と働き/基剤の特徴をふまえた外用薬の選び方/エキスパート・F・ブレンド/湿潤環境を保つ外用薬の塗布と被覆の方法/E→eにする(滲出液)/N→nにする(壊死組織)/I→iにする(炎症/感染)/P→pにする(ポケット)/G→gにする(肉芽組織)/S→sにする(大きさ)/D→dにする(深い褥瘡)/d2・d1→d0にする(浅い褥瘡)/単独の薬剤で滞った場合の対処法〕
「薬剤滞留」のために創固定する〔薬の効く創環境と創固定/創外固定―テーピングによる固定・スポンジによる固定/創内固定―キチン綿による固定/創傷被覆材(ドレッシング材)の使い方〕
「清浄化」を維持する〔創を清浄化する/創を洗浄する〕
「感染制御」を行う〔褥瘡の感染に関する誤解/感染褥瘡と褥瘡に合併する感染症の治療方法の違い/難治化要因となる真菌感染の治療〕
《コラム》創固定はヒアルロン酸を増やし肉芽形成を改善する

Part 4 褥瘡症例へのアプローチ

症例1 発症初期の臀部褥瘡の患者
症例2 良好な治癒過程で創面上に黒色壊死が形成された患者
症例3 ギャッジアップ姿勢保持による臀部褥瘡の悪化が懸念される患者
症例4 認知症の薬剤調整で大転子部褥瘡の悪化が懸念される患者
《コラム》そろえておきたい褥瘡治療の外用薬・医療材料


著者 古田勝経(医療法人愛生館 小林記念病院・褥瘡ケアセンター長)よりメッセージ

褥瘡という疾患は、長年治らないと考えられてきました。治療には外用薬や創傷被覆材による外用療法、物理療法、手術療法など、さまざまな方法があります。しかし、在宅でも見られるように外用薬による治療が汎用され、適正使用が求められています。なぜなら、外用薬を使いこなせれば褥瘡が改善することが分かってきたからです。

筆者は日本褥瘡学会のガイドライン策定ワーキングに関わり、外用薬に対する主薬と基剤の捉え方が職種ごとで大きく異なることを知りました。薬効成分となる主薬は、医薬品としては核心的な要素ですが、創面上で効果を発揮させるには、適した環境かどうかが重要です。主薬を効かすためには適正な湿潤状態下でなければなりません。ところが、基剤を単に添加物として扱い主薬で選択してきたことで、薬理作用が期待どおり現れず、外用薬が効かないと考えられてきた面がありました。基剤特性に着目して主薬が効く湿潤状態へ調節してこそ、主薬が効果を発揮する医薬品としての役割を十分に果たせるのです。

「基剤ファースト」は外用薬による褥瘡治療をはじめ、皮膚潰瘍や壊疽、創傷の治療に革新的な視点として注目されるようになってきました。また、「薬剤滞留」についても外用薬が効果を発揮する創の固定法として注目され、診療報酬における褥瘡の薬学的管理計画として追加されています。これらの薬剤師による視点はフルタメソッドとして、薬剤師のみならず医師や看護師からも高い評価を受けるようになってきました。より多くの薬剤師がこの方法を活用して、医療の狭間の疾患である褥瘡などの難治性皮膚創傷へ関わり、治せる疾患にできることは、薬剤師の評価を格段に引き上げるための大きな布石になると考えます。

褥瘡治療を通じてフルタメソッドに基づいた外用薬の適正使用により、治癒期間の短縮やコストの低減が明らかとなっています。実技指導を含めた外用薬治療への介入は、病院だけでなく在宅医療においてもタスクシフトを促すための必要な項目として期待されています。本書を褥瘡への薬学的介入を行う参考としてお役立ていただければ幸いです。

【著者紹介】
古田 勝経(ふるた かつのり)

医療法人愛生館 小林記念病院・褥瘡ケアセンター長(国立長寿医療研究センター 薬剤部研究員)。
褥瘡を外用薬で早く治すフルタメソッドを考案。
薬剤師の介入により治癒期間の短縮やコスト削減を実現する「フルタメソッド」は、医師や看護師からも高い関心をもたれ、海外でも注目されている。
ライフワークとして、薬剤師をはじめ医師・看護師に対し、「褥瘡を早くきれいに治す方法」の普及に努めている。

薬ゼミの薬剤師応援メディア「Ph-port」において、人気シリーズ薬剤師の視点で「褥瘡を早くきれいに治す方法」を連載中(登録・閲覧無料)

Amazonでのお買い求めはこちらから
〔紙書籍(ペーパーバック)〕 ※試し読みで表紙から目次まで、本文の抜粋、索引などが見られます。
 https://www.amazon.co.jp/dp/4600011678
〔電子書籍(kindle本)〕※無料サンプルで表紙から目次まで見られます。
 https://www.amazon.co.jp/dp/B0BT4BZ8SZ

ニュース